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株式上場

スタンダード降格177社

日本取引所グループ(JPX)の東京証券取引所は2日、
20日から市場区分をプライムからスタンダードに変更
する企業が177社になったと発表しました。報道によ
れば、経過措置の終了に伴いプライム市場からスタンダ
ード市場に審査無しで移れる措置の対象企業で、4月か
ら9月末までの期間中に申請した企業数を集計し、プラ
イム上場企業の約1割がスタンダードに移行することに
なったようです。

東証は2022年4月からの市場区分見直しに伴い、上
場維持基準に適合していない企業でも基準適合に向けた
計画書を提出すれば、一定期間の上場と認める「経過措
置」を適用しています。経過措置は25年3月に終了が
決まり、この決定に伴ってプライム市場からスタンダー
ド市場を選択する機会を設けていました。この理由は、
プライム市場の上場維持を断念した企業には「特例」を
設け、2023年4月から9月末の間であれば、申請書の提
出だけでスタンダード市場に移れるという、いわば上場
廃止を避けられる温情的な対応ということになります。

さて、4月30日時点では、経過措置の適用企業が54
9社ありましたから、今般の177社を引いた残りの企
業372社は、プライム市場を断念する予備軍というこ
とになるのでしょうか。今後、企業価値を磨いてプライ
ム残留に懸けるか、身の丈に合ったスタンダード市場を
選ぶのかという選択が必要になってきます。このリスト
をみると、これが旧東証1部上場企業なのか、と思って
しまうのは、私だけではないでしょう。

本来、企業の成長ステージは、時間がかかるものです。
企業が求めるものは、企業の目的に沿った経営資源の投
入であって株式市場に上場することではないでしょう。
先ずは、日々の経営に注力することがもっとも重要なこ
とです。その先に企業の成長があり、投資のために資本
市場から資金調達等をおこなう必要性があるような場合、
はじめて株式を上場するということが検討されるのでは
ないでしょうか。上場ありきではないのです。

そのためか、上場したが、思ったほど成長できない企業
がいかに多いことでしょう。本末転倒の結果でしょう。
残った企業は、プライム基準に到達すべき努力をするの
は当たり前ですが、上場だけにしがみつけば、スタンダ
ードへ移行しても企業の成長をみることはむずかしいの
ではないでしょうか。甘い基準で上場を誘った株式市場
にも多くの問題があります。私は、流通株式時価総額1
00億円以上でも低くいのではないか、最低で1,000
億円以上ではないか、と考えていましたが、時価総額5
00億円以上で、約1000社です。時価総額1000
億円以上では、約700社ほどです。現在のプライム市
場の約40%ほどになります。

株式市場がグローバル化するためには、より厳しい上場
基準が必要になるのではないでしょうか。わが国の実態
は、残念ながら市場規模が拡大する方向には動いていな
いようにみえます。やはり、世界で活躍できる新たな企
業がでてくることこそが、そもそも株式市場を充実させ
ていく最良の方法なのかもわかりません。

【参考】

資料:日刊工業新聞

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