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経営マネジメント

工場の統廃合が進む

製造業が利益を上げるためには、売上を上げるか原価を下げ
るしかありません。売上を上げるためには、付加価値がある
製品を生み出すことが一番ですが、実際には、工場では原価
削減のためのあの手この手の手段を駆使して原価を低減する
ための活動がおこなわれています。これまでのように市場が
拡大する局面であれば、原価低減をすることが、工場の利益
を上げるためには有効な施策だったでしょう。

他方、今日のように国内の市場規模が拡大から縮小へ転じて
いく時代には、コスト削減ばかりの収益改善活動には問題が
でてきており、多くの無理がきています。さらに、現在のよ
うな世界経済の流れの中で原価を低減することは、言うわ安
く行うわ難しの状態ではないでしょうか。工場の製造原価は、
簡単に書けば、材料費、労務費、経費でしょうか。今、これ
らの原価低減策が容易に実行できるのでしょうか。よほど有
効性(生産性)が高い生産ラインを導入し、しかも、そのラ
インは他社が導入できないような内製化された設備でなけれ
ば、労務費などのコストを削減することはできません。

このような時代は、規模が小さくなればなるほど、また、激
しい競争状況になればなるほど、自社で付加価値がある製品
を開発することでしか、競争優位に立って企業の利益を上げ
ることはできません。日本企業の横並び社会は、どのような
企業も同じような製品やサービスを生み出して、自ら価格競
争に走っていることが特徴でした。発想の転換、いわば経営
マネジメントを変えていくことをしなければなりませんが、
日本企業は、同じところをみることが好きな経営者が多く、
この転換がなかなかうまくできません。

そんな状況からか、大企業では工場の統廃合が進んでいます。
その内容は重工業からはじまっていましたが、最近は食品や
紙パルプといった消費者に近い企業へと移行してきています。
いよいよ市場が縮小していくという予兆でもありますが、物
価高と賃金があがらない状況下では、さらに悪化していく気
配です。

大手企業でもトヨタのように全世界で販売しており、その額
も極めて大きな企業では、改善という手法で円以下の単位で
コストを切りつめても、その額はとほうもない額になります
が、中小企業でこのような努力をすることが無意味とまでは
いいませんが、たかが知れています。中小企業ほど発想の転
換が必要で、コスト削減策から離れて、付加価値創造活動を
おこなうべきです。小さな企業ほどトライアンドエラーも可
能でしょう。できれば、業績がよく、余裕があるときに経営
マネジメントを転換しておくことが大切です。人と同じこと
をやっていては、市場縮小の先にあるものは、もうすでにみ
えているはずです。他人と違うことをすることは、途方もな
く面倒くさいものです。だからこそ、違った世界がみられる
ようになるのかもわかりません。

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