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会計

棚卸資産(在庫)が多いですね

企業経営でやっかいなところは在庫でしょうか。現場では売
れる前提でいつまでも在庫をもちたいという欲望にかられて
います。片や管理部門では、資産としての価値がないのでは
ないか、という疑いの目が向けられています。
棚卸資産とは在庫のことで、貸借対照表では商品・製品・半
製品・仕掛品・原材料・貯蔵品などとして表記されます。銀
行の担当者は棚卸資産の金額を、年間の売上原価を月平均に
して、その何カ月分あるか計算するようですが、大手企業の
管理部門では、在庫が大きくても販売されたり、部品のよう
に使用される予定があれば問題ありません。大手企業では、
保守的な会計をしますので、その前提はあくまで在庫をどの
ように管理するかという会計上の問題です。

大手企業では在庫の管理について細かな運用基準があり、現
場の判断よりも厳しい基準で在庫を把握しようとします。在
庫管理ができていない企業では、とうの昔に資産価値がなく
なっているものをいつまでも抱えて決算書を棄損させていき
ます。大手企業でも業績悪化している企業をみると棚卸資産
がやたら大きくなっている企業がありますが、在庫の問題を
考えてみることです。また、このような企業は、経営者が変
わることで不良資産を一気に処理することがあります。その
タイミングでは大幅な赤字決算となりますが、次の事業年度
から黒字化しているケースをみることがあります。

本来、資産として存在しているもの(在庫)は、利益を生む
前提で存在していなければなりません。人は家庭でも同様で
すが、もったないという心理が働きます。そして無責任に在
庫は積みあがっていきます。
もっとも、トヨタのようなカンバン方式では在庫の問題はほ
とんどないのでしょうが、大半の企業では、やはり現場と管
理部門のせめぎあいになるものです。
このようなことにならないためには、経営サイドが的確な判
断をしていかなくてはなりません。現場任せでは、対応でき
ないのが在庫の問題です。資産を廃棄すれば廃棄損がでます
から現場が実行することに無理が生じます。また、棚卸資産
の廃棄損は、利益操作の余地があるため、税務調査で確認さ
れる可能性が高いでしょう。ここは経営判断が絶対に必要な
場面です。さらに廃棄損は会計や税務の専門的な観点から判
断が必要になりますので、税理士さんや会計士さんと十分な
打ち合わせが必要となるでしょう。

企業規模にかかわらず在庫の問題をきちんと理解している経
営者がいる企業では、一時的に赤字になりますが、成長性が
ある企業ならば、次の期から黒字化できます。むしろ黒字経
営をおこなうために毎月棚卸資産(在庫)をチェックして経
営を健全化しておくことが重要です。チェックが甘い企業で
は、不良在庫の増加とともに横領などが発生しています。

【参考】

資料:Freee
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