経理 記帳代行ならエヌエスアカウトスタッフ

会計基準

時価会計

現在では時価会計が基本のような認識をもっておられる方が
多いと思いますが、日本基準において時価会計の対象となる
のは、有価証券くらいでしょうか。現在でも原則は取得原価
主義が基本です。しかし海外の企業では既に、国際会計基準
審議会(IASB)や米国財務会計基準審議会(FASB)など、
時価評価を導入するのが主流となっています。日本国内でも、
2019年に企業会計基準委員会(ASBJ)が指針を公表したの
をきっかけとして、資産価値が変動する金融商品を所有し時
価会計で処理する企業がどんどん増加しています。資産価値
の変動による含み損益は経営状況を大きく左右することにな
ります。そこで企業は、金融商品の時価を財務諸表に反映す
ることで、企業の経営状況をより実態に近づけて把握しよう
としています。

なにごとも一長一短あるものです。取得原価主義と時価会計
を比較する場合、価額の客観性、資金的裏付け、情報の迅速
性、利益操作の排除という点からみる必要がありそうです。
価額の客観性は、上場株式などでは、基準日を決めておけば
客観性が担保されますが、未上場株式の場合は、株式市場に
流通していませんから、市場における時価はありません。非
上場株式の算定方法はいくつかありますが、客観性の点では
疑問が残ります。
資金的裏付けでは、資産に含み益がある場合、時価会計では、
最終的に利益に含まれることになります。含み益とは、絵に
描いた餅ですから、利益に含まれていようがキャッシュはど
こからもはいってきません。最終利益が当期利益に含まれる
と配当の分だけキャッシュが流失することになります。
情報の迅速性は、土地などは取得原価主義で計上していれば
評価替えをしませんから極端な話ですが、50年前の取得価格
のままということもありまえます。情報の更新とい点から時
価会計によって適正な評価替えが必要になるでしょう。
利益の操作性では、時価会計が導入される前は、業績が悪い
企業では、期末に含み益がある保有株を売って、すぐに買い
戻すといったことをしていました。資産を売って利益を増や
すというクロス取引がおこなわれていました。クロス取引は、
含み益がでている株式だけを選別できるので時価会計とは違
います。含み損は出さないように見栄えが良い決算書をつく
ることが可能です。時価会計では、含みが益があろうと、含
み損があろうと、すべて評価替えの対象となります。

会計は一筋縄ではいきません。現実の企業における経営状態
を的確把握しながら客観性をもたせて取り組まなければなり
ません。しかも、人間がもつ恣意性を可能な限り排除したい
ところですが、人間がやることに完璧などありません。だか
らこそ、課題はありますが、会計をベースにしながら経営を
担うことが重要になるのです。

news allread more

share this one