コロナが収束してきて多くの外国人が日本を訪れていますが、
もちろん日本人も旅行などで沢山の人たちがこれから移動す
ることになるでしょう。これは企業にとっては朗報ですが、
他方、多くの人たちを受け入れる側の飲食業やホテル業など
にとってはかなり悩ましい事態がでてきているようです。

その筆頭が採用難でしょうか。今年の春闘では、多くの企業
で賃上げがおこなわれましたが、経済が順調に回復してくれ
ば、やはり雇用が必要となります。データをみるだけで厳し
い状況が伝わってきます。賃上げもさることながら、中小企
業にとって、とくにサービス業にとって、人の採用はビジネ
スの根幹を支えるものです。

働く側からすれば、より時給が高い企業で働くことを望むこ
とになります。採用競争が激しくなればなるほど、働く側は
優位となり、企業側は賃金上昇圧力にさらされることになり
ます。これまでなんとか人材を確保していた中小企業は、少
子高齢化と相まって大手企業を含む採用競争に巻き込まれれ
ばひとたまりもありません。

中小企業の採用に関して言えば、いろいろな工夫が必要にな
るでしょう。特徴ある就業形態や雇用形態を打ち出すことが
人材確保の条件になるのではないでしょうか。時給単価だけ
で勝負すれば、好条件を出せる企業に太刀打ちできるわけが
ありません。中小企業らしい創意工夫がいる時代となりそう
です。ある意味では、そこに企業経営の違いが生まれる時代
がくるのかもわかりません。

小さな企業が不利とばかりはいえないでしょう。私が買い物
でみているスーパーなどでは、小回りをいかした就業形態を
採用しているようですし、若い人たちと高齢者の方のバラン
スをとった勤務、あるいは店舗の規模に対応した商品構成、
さらに日毎にこまめな特売と、あらゆるところに創意工夫が
みられます。だからこそ、地域の顧客をうまく取り込むこと
ができているのではないでしょうか。

【資料】

資料：（上段）帝国データバンク　（下段）東京商工リサーチ
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