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経営マネジメント

利益とは、と悩んでいた営業時代

私は約11年ほど営業をやってきましたが、利益とは、と悩
んだ期間だったように思えます。理由は、事業計画がなかっ
たからです。毎年、年間の販売計画と販促費用だけが提示さ
れるだけで、自分の販売活動でいくら利益が上がっているの
かわかりませんでした。

とくに地方へ転勤してからは、他社との競争が激しく販促費
は常にオーバーするし、物流費がどれくらいかかっているの
かもわかりません。営業施策上、問屋の配送を軽減し、売上
を上げるため自社の小口直送(メーカーが小売業者へ直接配
送すること)を多く利用しましたが、その分自社の配車代が
大きくなっていたはずで、利益はでていなかったと思われま
す。それでも企業側は、あくまで販売数量と販促費の使用状
況だけが営業目標でした。自分は、いくら利益を出している
のか、と悶々とした営業時代を過ごしました。

本来であれば、事業計画に基づき利益計画を出して最適な販
売数量や販促費、あるいは倉庫代、配車費用を試算し、営業
活動をおこなうべきだ、と考えていましたが、営業時代に、
この問いの解決はできませんでした。問いの解決ができ理解
できたのは、ソニー子会社時代でした。はじめて事業計画と
はなにかということを身を以て体験することができました。

中小企業では、事業計画を担当部署にやらせている企業と経
営者の一存で決めている二つのタイプに分かれることが多か
ったように思います。当然、株式公開を目指す企業は、前者
のように担当部署の責任者が事業計画を作ります。
結論から言えば、前者のように担当部署が事業計画に責任を
もっている企業のほうが好業績でした。

私の営業時代もそうでしたが、多くの営業担当は売りやすい
製品を売ります。当たり前ですが、売りやすい製品を目標数
値だけ達成すれば評価が上がります。企業がどのように利益
を出しているのか知ることができませんから、単純に目標数
値だけを追います。決算をすれば、今年も儲かっていない、
と言われます。果たして社員は、納得できるのでしょうか。
残念ながら多くの社員は、昇給や賞与の水準が世間相場から
みて低い状況になりますから、会社に対する不満が多かった
ことを覚えています。

中小企業ほど、事業計画はタイミングをみながら現場へ移行
することが肝要です。利益がみえていなければ、羅針盤がな
いまま市場をさまよっているようなものです。社員の能力を
引き出すためにも各部署の責任者へ任せていかなければなり
ません。
経営者は、一番大事な仕事である資金繰り、さらに企業の新
規事業や将来に対する投資(人、金、物、情報)などに集中
すべきではないでしょうか。むずかしいことではないのです
が、これがなかなかできない経営者がいかに多いことでしょ
う。

【参考】

資料:中小機構
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