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経営破綻

後味が悪い経験

私が経験したなかで、もっとも驚愕した経営者だったのではない
でしょうか。私が退職してから数か月後、経営者が夜逃げしまし
た。私が入社したときから経営者は新規事業に没頭していたよう
で、既存事業は他の社員に任せっぱなしの状態でした。しかし、
既存事業は借入金を返済しながらなんとか黒字でやっていました。

入社後数か月して驚いたことは、消費税社会保険料を滞納して
いたことです。ある日、この交渉をしてくれと言われましたが、
私は滞納分の支払日を確約してもらえなければ、交渉はできませ
んと、経営者へ話し、目途を確認したうえで窓口へ出かけました。
納付予定日までは、猶予してもらえる保証を得て帰社しました。

消費税や社会保険料の滞納に驚きましたが、経営者がおこなって
いる新規事業に大きな疑問をもっていましたので明確に反対しま
したが、聞く耳をもちませんでした。無理筋の事業なのです。
そうこうしているうちに消費税と社会保険料の納付期限が迫りま
す。再度、納付期限を遅らせる交渉をしてくれと経営者が話すの
でそれはできませんと、断りました。私は、これは退職しかない
と考えて経営者へ申し入れ、その後、税務署と社会保険事務所の
窓口を訪れて自身の退職の話をしました。担当者は、すぐに理解
できるものです。

その後、数か月で経営者は夜逃げしたとのこと。破産もせず、社
員の賃金は未払い、当然、税金や社会保険料も納付していません。
おそらく借入金の返済も滞っていることでしょう。
中小企業は、先ず既存事業を着実におこないながら、新たなビジ
ネス展開を社員全員でおこなわなければなりません。私がおこな
っていたことに芽がでてきていただけに残念でなりません。私の
企業経験の中では、もっとも特異なケースだったでしょうか。今
でも後味が悪い経験です。

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